- なます
- I
なます(助動)〔「なさります」から転じたものという。 近世後期の遊里の女性語〕動詞の連用形(「お」を冠することがある)に付いて, 尊敬の意を表す。 なんす。II
「おまへさん, 寝〈なます〉なら爰(ココ)な上へ寝〈なませ〉/滑稽本・浮世床(初)」「私(ワチキ)のことをいろと聞き〈なまし〉たお方でござんす/人情本・梅児誉美 3」
なます【膾・鱠】(1)魚や貝, あるいは獣の生肉を細かく切ったもの。 また, それを, 調味した酢にひたした料理。(2)野菜を細かく刻んで三杯酢やゴマ酢などで和えた料理。 魚や貝を入れることもある。(3)情交すること。「此吉原の廓では, 抱かれて寝ることを~といひます/浄瑠璃・潤色江戸紫」
~に叩(タタ)・く(1)肉を細かく切って膾に作る。(2)大勢で寄ってたかって, 人をめった打ちにする。 膾にきざむ。「~・けと声々におめいてかかれば/浄瑠璃・聖徳太子」
~を吹(フ)・く⇒ 羹(アツモノ)に懲(コ)りて膾(ナマス)を吹く
Japanese explanatory dictionaries. 2013.